心理教育プログラム

スクールカウンセラー制度は、1997年度から導入されて、不登校やいじめなどの学校現場の課題に対応してきました。最近では、問題が起きてからの対応だけでなく、問題が起きる前に予防的に関わることが求められています。 教室に出かけていって、心の健康についての授業を行うこともスクールカウンセラーの活動の一つとして重視されるようになりました。そういう活動は心理教育プログラムと呼ばれています。

いじめられている子どもたちは、なかなか「助けてほしい」と言えません。
そのため、なかなか早く気づくことが難しくなってしまいます。

いじめが深刻化してしまう背景には、こんなふうな「相談すること」の難しさがあります。

「援助要請のカウンセリング」では、援助ニーズがあるのに「相談をしない」子どもが
必要に応じて「相談できる」ようになるためのかかわりを提案しています。

「その子どもがなぜ相談しないのか」という点から、5つのタイプに分けて考え、
学校現場できるいじめ問題へのアプローチについて分かりやすく解説されています。

本文中にIDとパスワードが書かれていて、それを金子書房のこの本のホームページに入力すると、ワークシートをダウンロードできるという、画期的な本です。
金子書房のホームページは以下のリンクからどうぞ




第1章 いじめと援助要請の心理学
第2章 援助要請のカウンセリング いじめ予防・未然防止編 
    ●児童生徒のいじめ未然防止活動に>>>指導案&ワークシート
第3章 援助要請のカウンセリング いじめ事例介入・援助編
    ●教員・スクールカウンセラーの研修に>>>事例演習
第4章 「助けて」が言える子ども、「助けて」に気づける援助者になるために
巻末資料 いじめ被害者・加害者に対する援助の基本




茨城大学の正保春彦先生が、グループワークについてまとめた本を出版されました。

学校で使える色々な心理教育プログラムの集大成のような本です。
SGEからインプロまで取り上げられています。
こんな本は他にはないでしょう。
学校で、グループワークや心理教育プログラムを実施しなくてはならない人は、手元に一冊置いておいて損はないと思います。

目次
はじめに
第1章 現代の子どもたちを取り巻く状況
 現場でのさまざまな体験から
 新しいタイプの学校
 社会の変化
第2章 学校で活用されるグループワーク
 人間関係の力
 構成について
 学校現場で活用されているさまざまなグループワーク
 構成的グループ・エンカウンター(SGE)
 構成的グループ・エンカウンターと時代背景
 グループワーク・トレーニング(GWT)
 ソーシャルスキル・トレーニング(SST)
 インプロ
 各種グループワークの比較
 グループワークを用いることの意義と注意点
第3章 グループワークにおける学び
 学びの躓きと心の傷つき
 学校教育機能の心理臨床化
 楽しむことと学び
 楽しむことと学びの関係=たの▷まな
 グループ・ワークにおける学び
第4章 心を育てるグループワークとは
 現代社会とグループワーク
 効果的な実践に向けて
 構成的グループ・エンカウンターにおけるかかわりと出会い
 構成的グループ・エンカウンターのエクササイズの再検討
 グループワーク・トレーニングとインプロ
 3つの基本コンセプト
 かかわる
 いう,きく,する,よむ(iksy)
 理解する
 表現する
 心を育てるグループワーク
第5章 グループワークの進め方
 グループワークの流れ
 アセスメント
 オリエンテーション
 スタートライン
 インストラクション
 ウォーミングアップ
 ワークとのりしろ
 抵抗とその対処
 グループワークの矛盾とオープン・マインド
 シェアリング
 シェアリングの落とし穴
 グループワークを支えるマインド
 グループワークの進め方・まとめ
第6章 心を育てるグループワーク i-Work
 本章の内容について
 かかわるワーク
 理解するワーク
 表現するワーク
第7章 さまざまな実践
 M中学校
 K高校
 K特別支援学校
 A家庭裁判所における活動
第8章 計画的な実践
 1/100 で効果を上げる
 学校での組織的・計画的導入のポイント
 担任の関与
 リニアモデルとスパイラルモデル
 授業以外での実践
資料 附表・索引
 基本的コミュニケーション能力測定尺度iksy
 索引
 若い女性と老婆
引用文献

コンセンサス実習授業 「月で遭難?!」

コンセンサス実習は、みんなで意見を出し合って、合意を形成する実習です。

この「月で遭難?!」という実習は、宇宙船が遭難したという設定でどの装備を持ち出していくのかという順位づけをグループで行うプログラムです。

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設定が面白いので、子どもたちも楽しんで取り組むことができます。
また、順位付けについて、NASAの見解があって答え合わせのようなこともできるので、それも面白いところです。

話し合いでコンセンサスを得るためのポイントについても以下の4つにまとめられています。
 1 自分の意見を大切に
 2 他人の意見も大切に
 3 納得したら変える
 4 変えたら伝える
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プログラムの詳しい情報は以下のページからどうぞ

http://www.consortium.or.jp/wp-content/uploads/39633d3db4ed4a5f5da7262fb981ed2e.pdf

千葉県教育委員会が児童生徒の「豊かな人間関係を築く力」を育成することを目的として開発した体系的指導プログラムです。
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プログラムの概要
●1学年につき4時間の授業展開 × 小学校1年生~中学校3年生まで9年間分
●1時間ごとに指導案、授業台本(細案)、教材を用意

プログラムの特色
●いじめ予防や互いに思いやることのできる集団づくりに有効

各学年ごとのプログラムの主なねらい

 小学校1・2年生:コミュニケーション1・2
  話し方・聞き方の基礎で人を思う気持ちを

 小学校3・4年生 :感情1・2
  人の感情を考え、自分の感情も大切に

 小学校5年生:問題解決
  みんなと助け合いながら問題解決に取り組む

 小学校6年生:コミュニケーション3
  相手への思いやりと自分の発言に責任を持つ

 中学校1年生:クリティカルシンキング
  物事を多面的な角度から考えられるように

 中学校2年生:セルフコントロール
  自分と向き合い、自分を管理する

 中学校3年生:意思決定
  自分の意思をもって、周りの人と決める

おすすめポイント
 各学年ごとに、ワード形式で指導案と資料が細かく用意されているため、自分なりに変更して実施しやすい。
 また、小学3年生からは、「予告プリント」も用意されています。プログラムの実施の前に、子どもたちの問題意識を高めるなどレディネスを高めるように工夫されています。

以下のページからどうぞ

https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/shidou/shou-chuu/omoiyariplan/index.html


 横浜プログラムは、横浜市教育委員会の作成による、心理教育プログラムです。


子どもの社会的スキル横浜プログラム


 横浜プログラムでは、「被受容体験」「がまん体験」「群れ合い体験」の3種類の体験を、子どもが育つための「3基本体験」と位置付けて、それを学校での活動の中で、補っていくために作られたプログラムです。個人、対人関係、所属集団への「3つのアプローチの視点」から様々な体験が準備されて
います。

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 個々への成長支援である個人へのアプローチは「自分づくり」、個人間のコミュニケーショ
ンと対人関係へのアプローチは「仲間づくり」、所属集団の発展と改善を目的としたアプローチは
「集団づくり」として、体験を通した子ども自身の「気づき」や「分かち合い」から、基本スキルを
身に付けられるような構成がとられています。

 横浜プログラムの特徴は、この「3 つのアプローチ」があることにより、「“個を生かす”集団指導プログラム」となっていることです。

 小学校低学年から高校生までの幅広い年齢層に対応する、プログラムが119種類公開されています。授業の流れを分かりやすく解説した授業案や、授業で使うシートまで利用可能な形で公開されています。


子どもの社会的スキル横浜プログラム





茨城県教育委員会がスクールカウンセラーを活用した授業実践のための資料を公開しています。それを紹介したいと思います。

教室で手をあげている子どもたち


いじめについて考えるエクササイズが2種類、話の聴き方のスキルを身につけるためのエクササイズ、アサーション・トレーニングのエクササイズ、人それぞれの言葉の受け取り方や表現の違いに気付くためのエクササイズ、という5種類のエクササイズが紹介されています。

授業の流れについて解説した資料、エクササイズで使用するワークシート、振り返りで使用するシートなど、実践の際に必要な資料が詳しく掲載されています。これを読むだけで、ある程度の実践のめどが立つ資料だと思います。印刷すれば、すぐにでも実践できると思います。

例えば、アサーション・トレーニングのエクササイズについての資料では、「いばりやさん」、「おどおどさん」、「さわやかさん」という3種類のコミュニケーションパターンを設定しています。これらは、それぞれ、撃的な自己表現」、「非主張的な自己表現」、「適切な(アサーティブな)自己表現」に該当するものです。

解説の資料も用意されていて、アサーションについて読めばわかるようになっています。

アサーションや適切な自己主張は、中学校生活の中でのトラブル防止に役立つだけではなく、社会へ出てからも仕事をする上で非常に役立つスキルだと思われます。必要性の高い実践ですので、参考にして取り組んでみては如何でしょうか?


茨城県教育委員会の以下のページからどうぞ
集団づくりのためのエクササイズ~いじめ問題などが起きにくい集団づくりを目指して~

認知行動療法をもとにした心理教育プログラムを紹介します。

 中学校や小学校ので行われている心理教育プログラムは、認知行動療法の理論に基づいて行われることが多いと思います。認知行動療法は、うつ病の治療に効果が認められているカウンセリングの理論です。落ち込んだ感情の元になっている、考え方(認知)や行動を修正していくことで、うつ病を改善していくことにつながっています。
教室


 でも、中学生や小学生は、自分自身の気持ちや感情が自分でも良く分かっていないことが多いように思います。特に、他の児童生徒に対して、暴言を吐いてしまったり、暴力が出てしまったりする子どもたちは、自分の感情を捉えることがかなり苦手だと言われています。

 そのため、心理教育プログラムを実施していく場合には、自分自身の感情を捉えることがスタートになると考えられます。

 そういった自分自身の感情を捉えるために役立つ心理教育プログラムがこの記事では4種類紹介されています。プログラムは、20年以上の経験を積んだ現役のスクールカウンセラーによるオリジナルだということです。

 紹介されているプログラムの特徴は、感情をレーダーチャートで分析するところだと思います。日常的にありそうな場面が設定されていて、子どもたちはその場面を想像して、自分の気持ちをレーダーチャートに記入していく作業をします。

 多分、周囲の子ども通しで見比べたりすると、「人それぞれ気持ちが違うんだな」ということが良く分かるのではないかと思います。また、自分自身の気持ちも、ただ腹が立っているだけではなくて、悲しい気持ちも混じっているんだとか、繊細に自分自身の気持ちを捉えられるようになるのではないかと思います。

 中学生や小学校高学年向けの心理教育プログラムでは、考え方やとらえ方を変化させることで、感情が変化するということも学べるようです。認知行動療法そのものとも言える内容ですので、子どもたちの心の健康にとってプラスになるのではないかと思います。

 小学校の低学年の子どもたち向けの心理教育プログラムから中学生向けのプログラムまで公開されています。著作権は保持しているということですが、スクールカウンセラーが学校で使う場合には、自由に使用して良いということです。

 この心理教育プログラムの詳しい情報は以下のリンクからどうぞ。
 心理教育プログラム例ーリソースポート|茨城県守谷市



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